もう回転軸がx軸やy軸じゃなくても怖くなくなる積分改革【実践編】
今までの投稿で
積分を制するための
面積や回転体の体積
についてのイメージ改革
を行ってきました。
今まで
∫とdxがセットであると思っていた
人達ももう違うと思います!
面積は長方形の集まり
回転体の体積は円柱の集まり
でしたね!
今回はそのイメージになると
応用問題もスラスラ理解できる
ことを体感してもらいたいと思います!
それでは早速問題です!
曲線y=1/x(x>0)をCとする。
直線y=x上の点Pにおいて
直線y=xに直交する直線lを考える。
この直線lと曲線Cは2点A,Bで交わっている
とする。
曲線Cと直線x+y=4で囲まれた部分を
直線y=xの周りに1回転してできる
回転体の体積Vを求めよ。
おっと…
回転軸がx軸やy軸ではない
y=xという関数になっています。
つまり
"公式が使えない"
状況に陥っています。
私も初めてこの問題を見たとき
正直ビビりました。
何から手をつけていいか分からない。
難しすぎるだろこれ…
しかし
今まで上げた2つの投稿
積分改革を見てきた方なら
瞬殺できます!
まずはグラフを考えてみましょう!
こんな感じのグラフになりそうですね!
この図の
斜線部分を回転させた体積を
求めなければなりません。
ここから本格的に
回転体の体積は円柱の集まり
というイメージを使っていきます!
どのような円柱を集めるのか
考えてみましょう!
図からこのような円柱を集める
ことが分かります。
体積を求めるために必要なものは
○円柱の半径
○積分範囲
の2つです。
それでは
円柱の半径について考えていきます!
この図から
半径に相当するAPを求めたいですね!
ここで1つかなり重要なことがあります。
それは
新たなt軸をとる
ということです。
たとえ半径が分かっても
x軸やy軸を中心に考えてしまうと
円柱の体積を求めることが
困難になってきます。
ですから
t軸という新たな軸を設定し
今後出てくるxやyをtの式で表しましょう!
OP=tとすると
P(t/√2,t/√2)
と求めることができます。
この時l:x+y=√2tだから
C:xy=1と連立してyを消去すると
x(√2t-x)=1
x^2-√2tx+1=0より
x={√2±√(2t^2-4)}/2
したがって
AP=√(t^2-2)
と導くことができます!
これから円柱の体積を求めましょう!
半径が求まれば
円柱の体積は容易に求めることができますね!
それでは最後に
積分範囲について求めていきます!
これは非常に簡単です。
上図から積分範囲は
tが√2から2√2までである
ことが分かります!
これで必要な
2つの道具をゲットしました!
あとはこれらを使って
立式するだけです!
これを解けば終了です!
ちなみに答えは8/3√2π
どうでしたか?
意外にすんなりいけませんでしたか?
積分について理解が浅い人
単に公式に当てはまるだけの人
であればこの問題を解くことは
かなり厳しいです。
しかし逆に
今までしつこく言ってきた
積分のイメージを持てば
どんな応用問題でも
簡単に理解することができます!
この先難しい問題に出会ったとしても
積分の本質に立ち戻れば
きっと大丈夫です。
今回の問題はかなり良問なので
是非一度解いてみてください!
以上で積分改革終了です!
御精読ありがとうございました。